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台湾その日暮らしが終わり、2018年3月に帰国しました。


by ken1horie
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大学で学ぶこと、そして働いている間に学べること、そして

 「大学で学ぶことは役に立たない」とか「漢文なんて学ぶだけ時間の無駄」といった事が良く世間で言われていますが、個人的には人生に無駄な事はない、と思っています。尤も、その人其々の人生経験や、体験、或いは生きてきた環境が違うので、一概には言えませんし、自分の感覚や経験を一般化するつもりもありません。しかし、役に立つ、立たないだけの二元論で全てが片付くのであれば、多分世の中はもっと単純で、複雑な多くの問題も解決されて、誰でも幸せに暮らせるような社会になっているんじゃないかな、と思うのです。

 私自身はバブル景気がはじけて間もない頃に、高専4年生修了での中退後に社会人になりました。既に就職氷河期に入り始めた頃に、何とか当時の担任の口利きで、とある中小企業に担任の勧めるままに就職しました。そんな経歴ですので、普通高校の事も知りませんし、大学受験とも無縁でした。当然一般的な就職活動がどんなものかのかも知りませんし、そんな感じで社会に出てから何度か転職を繰り返し、そして台湾で語学学校に通い、その後台湾大学に特別な目的もなく入って、現在は台湾のローカル企業に勤務しています。そんな経歴の自分が何か偉そうな事を言えるのか?と言われたら、苦笑いしながら「言えないよね」とバツが悪そうに言うしかないでしょう。

 ただ、大学に関しては、昔から大学で歴史を学びたい、という希望があったので、それを遅まきながら実現できた喜びはありましたし、大学で学ぶ中で、その歴史を学ぶ事の楽しさを知ることが出来たのは、大きな収穫と言えるでしょう。
 私自身が社会人をある程度経験してから大学に入ったことは、今の高校生や20歳近くの人達が大学に入ることと意味合いが異なるかも知れません。また、大学に入ってから感じた事も違うでしょう。しかしながら、個人的に感じた事を備忘録的にブログに残しておく事は、誰かの役に立つ部分もあるのではないか、と思ってこのブログに時々書いています。また、Twitterでの知り合いのしょーじさんのブログを読んで、今回は自分も自分なりに記事にしておこうか、と思った部分もあります。
 自分自身が歴史を大学の4年間、そして大学院での1年間(卒業せずに先日退学手続きをしてきましたが)歴史を学んだ事が、現在の設備機械系の仕事で直接役立つ事はないだろうなとは思うのですが、大学内で学ぶ考え方、物の見方に関しては、実際の業務の中で応用可能だと個人的には思っています。
 具体的に言えば、知らない事に関して自ら調べる事、そして学び続ける事の重要性、と言ったところでしょうか。大学では、リサーチが必要な事に関しての、そのメソッドを学習します。特に図書館の蔵書や参考書籍のリサーチ手法の学習は、必須と言えるでしょう。そういったリサーチの手法は、社会に出てからも業務では必要となる場面が多くあると思います。また私は機械系のエンジニアですが、技術は日々進歩していきます。新しい技術も出現します。それは、学術に関しても同じです。常に最新の技術を学ぶ事が必要であると同時に、歴史研究を行っているのであれば、新たに発掘される資料に対しても敏感である必要があると同時に、最新の学術論文にも目を光らせる必要があります。分野が違えど、学び続ける事の、その姿勢に関して違いは全くないと言えるのではないでしょうか。
 また、私が大学で書いていたレポートのフォーマットですが、これは16歳の時習ったに高専の実習レポートのフォーマットと基本的には変わりがありませんでした。
 そのように、歴史を大学で学んでいた時も、高専で学んだ事が実際に応用が可能で、大変助かった記憶があります。だから、個人的には文系理系(私はここに「工学系」と言うジャンルを付け加えたいですが)との間に違いがあるのか?と問われれば、違いなんて大してないよ、と考えている部分があり、更に言えば、この文系理系と分かれてしまっている状態こそ問題ではないのか?と思うのです。私の指導教授に言わせると、私のこの様な主張に関しては笑いながら、私には社会人としての経験があるから、そう言えるんだよ、という事らしいですが。

 私自身に関しては台湾の大学に進学する事に関しては、それも一つの選択肢である事でしかありません。日本の大学へ行くもよし、それこそ欧米の大学や、中国、シンガポールや香港、韓国等も選択肢としてありでしょう。そして、その選択に関しても、特にどうのこうのはなくて、自分で学びたい事があるならば、その大学へ行けばいいと思うのです。ただ、国外の大学へ行く場合の情報量に関しては、多分そんなには多くないと思います。私も過去の記事で台湾大学に関する事は幾つか書いてはいますが、それも歴史学系に関する内容で、更に突き詰めていけば、あくまでも私個人の経験や体験で、一般化できる様な内容ではありません。
 ただ、大学へ行って学ぶ事に関して、今の日本では非常にお金が掛かる事で、しかも就職市場に関して硬直化しており(そんな中訳の分からない経歴の自分が何とかなっているのは、ひたすら幸運でしかないと思っていますが)、あくまでも大学に入る事は、その先の就職を目的としているためである事が、却って大学選択や、学部選択の幅を狭めてないかな?と思う部分があり、残念にも思う部分があるのです。
 そのような中で、台湾の大学へ進学する選択に関しては、中華民国教育部の奨学金制度もありますし(とは言え近年倍率が非常に高い)、また成績にもよりますが、大学内でも幾つかの奨学金制度があり利用も可能です(私自身もこれには大変助けられました)。日本でも最近は奨学金制度が少しずつ増えてきていますが(私自身は日本で一般的に言われている奨学金に関しては、学生ローンであり、奨学金とは言えないものである事を、ここで改めて主張しておきます)、それでもまだまだと言わざるを得ないと思っています。

 リンクしてあるしょーじさんのブログも、彼が台湾の大学へ進学する事になった、彼自身の経験であり、あくまでも一つの参考でしょう。そして、私がこのブログで書いている台湾大学に関する記事も、また一つの参考でしかありません。それでもなお個人的には、何かしらの参考となりそうな事は、残しておこうと思いますし、またそれが選択肢を広げる一助になれば、と願って止みません。
 ただ、個人的に思うのですが、18歳で大学を選んでその先の人生が固定されてしまうのも、何だか勿体ないような気もするのです。もうすこし就職に関しても硬直していなければ、また働いた後で大学や大学院に、それこそ中卒や高卒で働いてから、高校や大学に戻れる様な社会であれば、なんて思う事も多々あります。それは自分自身が、中国語を始めた年齢や、大学に入った時に年齢を思うと、余計にその様な多様な選択肢が可能な社会になる事を願っているのかも知れません。


Commented at 2018-03-01 08:15 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ken1horie at 2018-03-03 23:53
鍵コメさん。
私自身は大学での経験があり、そのまま碩士班へ行ったので、却って碩士班の方が楽に感じる部分がありました。と言うより4年間で大分慣れたのが影響していたと思います。
多分、そういった慣れや言語のハンディとかは最初のうちはキツイと思います。でも、真面目に確実にやっていれば、教授や学部の事務方もサポートしてくれます。ですから、焦らず着実にやっていけば良いと思いますよ。
by ken1horie | 2018-02-24 22:23 | 台湾大学留学 | Comments(2)