台湾その日暮らし


by ken1horie
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 過去にも似たようなエントリーがあるとは思いますが、ちょっと気になったので書いておきます。

 実際に自分も、台湾大学で受けた講義に関して、特に1年生の時は大変だった記憶があります。しかし、この大変さに関しては、中国語力の不足と、歴史に関する基礎知識や語彙不足が招いたものとの自覚があったので、この部分を対応すればよいとも感じていました。既に大学を卒業し、マスターは1年のみで休学してしまいましたが、この5年間で感じた事は、大変ならとにかく勉強して、或いは自分で工夫して何とかするしかない、と自分では考えていました。

 しかし、この5年間確かにキツイ部分はありましたが、それでも今になって思うと、ここまでやったんだから、後でキツイ事があっても、何とかやっていけるかな、と言う妙な自信が出来ました。尤も、周りが優秀でしたから、どうしても謙虚になってしまう部分がありましたし、そういう事が、自分にとっては良かったなと思っています。

 何かに関して、大変か、大変じゃないか、は人それぞれです。しかし確かに自分も大学1年生の時は、大変だと記事にしていました。今改めて目を通すと、ああ大変だったんだなぁ、あの頃はと思います。因みにマスターを1年やって感じた事は、大学部には大学部の、そして大学院には大学院の、それぞれ違った大変さがあると私は感じました。

 自分自身は大変さを自慢する気もないし、その大変さってのは結局自分の能力不足からくるもんだよな、とも思っていて、やはり凡人と言うのは辛いねぇ、としか言えません。人類学系の後輩も、大変さをBlogの記事にしていますので、併せて読んでいただけると、台湾大学での講義の様子の一端が判ると思います。

 実力のない人間が台湾大学に入ると苦労する
 http://amikawa.blogspot.tw/2015/07/blog-post.html
 私が台湾大学を選んだ理由。三年を過ごして感じた台湾本科留学のこと
 http://amikawa.blogspot.tw/2015/09/blog-post.html
 
 後輩は私よりも詳しく記事を書いているので、そちらの方が参考になる部分も少なくないと思います。
 
 私自身は4年で大学を卒業しましたが、同時に入学して現在6年目をやっている学生も知っていますし、私の次の年に入学した日本人学生が5年目をやっているのも知っています。しかし、4年で卒業した人もいますし、卒業が難しいのか?と言われれば一概には言えません。その難しさを上手に回避して卒業した学生も知っています。ですから、それこそ人それぞれどうやるかなのです。

 私自身が5年間で苦労をしなかったか?と言われたら、苦労した部分はあるでしょう。しかし、その苦労を全ての人が同じように経験するわけではないでしょう。学科によって科目の内容が違いますし、優秀な人は本当に素晴らしい成績を獲って、あっさりと卒業して行きます。大変だったな、と言うのはあくまでも各個人の主観や感じ方でしかありません。私自身も大変だったと感じた部分もありましたし、手を抜ける所は抜きました。それこそ、人それぞれのやり方でやるしかない、と思っています。
 そして、これはあくまでも私の経験ですが、勉強する人やしたい人には、周りが助けてくれる場合が少なくありませんでした。それは、教授であったり、TAであったり、或いは事務方であったり。当然自分から積極的に動く必要がある場合もありますが、それでも私はこの5年間、各教授方や、TA方、また歴史学系の事務方からも、少なくないサポートを受けました。それに対しては、心から感謝しています。そして、四年生の時と、マスターの1年間、指導教授にも大変お世話になりました。そういった、自分の学習態度や研究に対する姿勢が、反映される部分はあると思います。先輩や、同級生、また後輩にもお世話になった部分は少なくありません。

 ですから、例え大変だとしても、やはり結局は自分次第になってしまう、としか私には言えないのです。私には私がしてきた事しか言えないですし、他にやりようはあったかも知れませんが、結果としては他のやりように関しては、判りません。それでも、この様な記事が、現在台湾大学への留学を考えている方の一助になれば、とも思っています。
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by ken1horie | 2015-09-23 17:15 | 台湾大学留学 | Comments(0)
 約1ヶ月前に、台湾で仕事を探す内容の記事を書きました。工作許可証(労働許可証)の申請も通り、労働ビザの申請と居留証の延長手続きに関する資料も、会社側に提出したので、ここで記事にしておく事にしました。また、台湾での就職活動に関する質問等を、台湾パソナさんがサイトにまとめていますので、そちらも参考にしてみて下さい。

 台湾での職探しに関しては、以前に書いた記事を参考にしてもらえればいいと思います。内容の重複する部分があるかとは思いますが、実際に採用通知を頂いた後の事を中心に記事にまとめようと思います。

 会社から採用通知を受け取っても、そのまま台湾で会社に勤務出来る訳ではありません。その後、工作許可証(労働許可証)の申請が必要で、この申請が通らないと台湾ではお勤めは不可能です。ですから、採用通知を受け取っても、この工作許可証がおりなければダメで、これに関しては近年その許可が厳しくなっていると、耳にしています。幸いにして私の周りでは、この許可証の申請が通らなかった、と言う話は聞きませんが、こちらに既にお勤めしていて、工作許可証の延長申請に通らなかった方がいるのは知っています。私自身も会社からは工作許可証がおりるかどうかは、判らないと申請時に言われており、多少なりとも不安な日々を過ごしました。
 工作許可証の申請に必要な提出資料は会社から指示がありますので、それを揃えれば良いでしょう。参考としてここに必要資料を書いておきます。あくまでも参考としてです。

 在籍証明書(今までの仕事の経験を証明する為、かつて勤務していた会社が発行する在籍証明書)
 資格証明書(特殊技能があれば、工作許可証の申請が通りやすい)
 学歴証明書(卒業証書、及び中退者であれば、修了証明書。今回私は、台湾大学の卒業証明書と、高専の4年修了証明書を提出しています)
 住居の契約書(住んでいるアパートや家の契約書)
 縦4.5cm、横3.5cmで白の背景の証明写真(スピード写真で可)
 パスポート

 これらの資料のコピーを提出する事になります。在籍証明書の場合、会社を辞めた時にもらっておくのが、一番手間がなくていいでしょう。中小零細企業の場合は、元々在籍証明書のフォーマットがない場合もあり、私は自分でワードで作成して、社判を押してもらった経験もあります。
 在籍証明書に関しては、現在法律が変わり台湾の大学を卒業すれば、就業経験がなくても台湾での就職は可能となりましたが、私の様に文系卒の人間が機械設備関係の会社に就職出来た理由は、日本での機械設計の経験が長いのと、またこれから勤務する会社の事業内容と関係のある業界にいたから、に外なりません。台湾では日本よりも学歴社会で、出身学部が重要視され、時としては成績も場合によっては重要視されるみたいですから、当然大学の卒業学部の制限を就職活動時に受ける事になるでしょう。しかし、これはある意味当然だと思いますし、日本の様に新卒で一括就職で、しかも学校名重視で大学で学んだ内容が重視されない方が、私は有る部分に於いては異常だと思います。
 余談ではありますが、私の知る限りでは、台湾大学の大学部を出た日本人学生の殆どは、日本での就職を目標にしています。上手く大企業に入れれば、当然待遇は良いですし、そう考えるのも、ある意味自然かもしれません。しかし、台湾大学は日本の大学の様な就職予備校ではありません。今後、台湾大学へ留学を考えている方には、そういう部分も考慮して欲しいな、と思っています。つまり、彼らの目には必要なのは旧帝大である台湾大学の卒業資格が必要であって、大学で学ぶことの意味を理解する、知る、と言うのは二の次、三の次なのでしょう。国外で学ぶ事は、他者を他者として認識したり、物事を相対的に捉える良い機会だと思います。また、台湾大学の場合は、周りの学生が優秀なのもあり、彼らから学ぶ部分も少なくはありません。折角の留学の機会を、単に日本での就活目的の為だけに利用し、現地の台湾人学生との交流も殆どせずに過ごすのは、やはり如何なものかと思うのです。

 さて、工作許可証が下りた後には、労働ビザの申請或いはビザの切り替えと、居留証の申請或いは延長となります。こちらも、基本的には会社からの指示に従って資料を集めて、提出すればいいでしょう。そして現在は移民署でまとめてこれらの手続きが可能です。もし、既に居留証を持っているのであれば、学生でも居留期限が切れていなければ、出国してビザの切り替え手続きは必要ありません。
 今回、会社は外交部に確認をしたところ、ビザの切り替えに関しては出国しての手続きが必要だと、ずっと言っていました。私は移民署でビザの切り替えと、居留証の手続きが可能だと伝えて、会社が移民署に確認したところ、それが可能であるとの回答を貰ったとの事でした。外交部と移民署の言う事に食い違いがある事を会社も不思議に感じていましたが、移民署での手続きが実際に可能なので、ビザの切り替え等で会社から出国しての手続きを言われたら、移民署に確認して欲しい、と伝えてみましょう。

 さて、台湾でのお勤めに関してですが、1年目は有給休暇はありません。1年間務めあげてから、7日の有給休暇が付与されます。3年間務めあげて、10日の有給となり、5年間務めあげると14日の有給が付与されます。これは、台湾の法律でそうなっており、台湾の企業では基本的にこの原則に則って有給が付与されます。有給が付与されるまで、私用での欠勤や病欠は、給与からその分差し引かれるので注意が必要です。また、福利厚生に関しても、日本ほどは整っていない印象があります。しかしながら、実際に中小零細企業で働いていた時間が長かった私には、それでも日本で以前働いていた会社よりもマシな部分があります。結局日本の労働基準法も、中小零細企業では全く意味をなさず、労基法違反の問題も大企業にしかスポットが当たらない現状を知る私としては、自分の身は自分で守りつつ、上手に泳いでいくしかないのが、現実なのです。
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by ken1horie | 2015-09-16 18:31 | 台湾生活 | Comments(3)
 直木賞の話題作、東山彰良「流」を読みました。1970年代以降の台北を主に舞台とした、外省人家庭に育った主人公の青年「葉秋生」が織りなす、青春ミステリーとでも呼べばよいでしょうか。蒋介石の死と共に始まる物語の内容は、いきなり波乱のスタートを迎えます。台北一の進学校(多分建国高中の事だと思われる)に通う高校二年生の主人公は、その波乱の中成長していくわけですが、内容としては幼馴染との恋愛話があり、台湾の男性なら誰でも経験する徴兵の話も加わり、1970年代、80年代の台湾の雰囲気が伝わってくる様です。

 また、私自身台北に住んでいる身でもあり、本書に登場する地名の土地勘がある為に、その場面場面の情景を想像する事が容易でした。確かに目の前には台北の街並みが浮かび上がる描写となっています。そして、主人公は外省人家庭出身と言う事も有り、その目を通しての台湾や台北の姿が生き生きと映し出されます。日本語で書かれた内容ではありますが、例えば強い台湾訛りの中国語の表現に工夫も凝らしており、その台湾社会の複雑さの一面も垣間見えます。私は台湾大学では歴史を学び、休学してしまいましたが修士では台湾史の研究をしておりました。確かに台湾史研究に少しだけ足を踏み入れてはいましたが、戦後台湾史は私の専門外なので、詳しくはありません。それでも尚、私の知っている範囲で言うとすれば、戦後の台湾には戦後の台湾の複雑さが存在しており、その多元的な社会状況も垣間見える内容になっております。そして、また大陸から台湾に渡ってきた老兵達が、場面場面で言う一言が、それこそ当時の国共内戦に敗れた国民政府のその当時の状況や、彼らが思っていた事を表しているのではないでしょうか。
 そういう内容から、1970年代から、2000年くらいまでの間の台湾のある一面も垣間見える内容となっています。そして、例え台湾と中国が断絶していても、その網の目を掻い潜るかの様に、人々は手を尽くして、まるで国民党と共産党を欺くかの様に、中国との連絡を取り合っている姿も生き生きと描かれています。

 個人的な感想では、面白く読めましたが、恋愛に関する話の展開では、よくある展開が使われていたり、また1970年代末から台湾で大きなうねりを挙げる党外運動の事が描かれていなかったりと(しかし、話の内容を考えるに、これに関するエピソードは加えにくいと思うが)、あくまでも話の展開は主人公の身の回りと中心として展開していきます。また、これは個人的に感じた事ですが、中国語で読みたいな、と思いました。確かに日本語でも、十分にその物語の雰囲気は伝わってくるのですが、もし中国語で書かれたものであれば、より鮮明にそのイメージが浮かび上がるかも知れません。ですから、私はこれから台湾で中国語翻訳版が出版されるのを期待して待っています。

 最後に、台湾に関する日本語で得られる情報では、あまり外省人からみた姿というのは、ないと思います。また、日本語での台湾に関する情報に関しては、その多くがどちらかと言うと緑より(台湾独立支持より)の方の内容が多い気がします。若い世代に関しては、本省人、外省人、そして台湾原住民も含めて融和が進んでいると私は感じています。主人公が、本書の中で高雄出身の本省人女性と結婚したのは、そういう省籍対立が少しずつ薄らいでいる現状を表したもの、とも言えるでしょう。その様な意味からしても、本書は小説としての面白さだけではなく、戦後台湾の複雑な姿の一面を照らし出しているとも言えるのではないでしょうか。
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by ken1horie | 2015-09-03 23:21 | | Comments(0)