台湾その日暮らし


by ken1horie
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四年間のこと:四年二学期(「四年間のこと」シリーズ最終回)

 四年の二学期に受けた講義は、専題討論(二)、学士論文(講義として、単位数に計算されるのです)、中国史(四)(明朝の成立から中華人民共和国成立まで)、漢字文化、日本近現代外交資料解析(二)、の合計13単位でした。

 専題討論(二)と学士論文は、特に分けて講義を受けたわけではなく、実際には論文を書いている途中で、自分が担当教授に進捗具合を報告したり、質問があれば、聞きに行く感じで、実際には講義らしい講義があるわけではありませんでした。歴史学系の学士論文は非公式のものなので、単なる単位としてしか、カウントされません。また、論文は指導教授の強い勧めで、日本語で書きました。台湾新報と台湾日日新報の記事をまとめた表等も含めて、論文のワードファイルの総字数は7万字を超え、指導教授に初稿を提出した時には「学士論文をこんなに真面目に書く学生はいない」と苦笑いされました。しかしながら、この学士論文が、この後私が書く修士論文の基礎となる内容であることは間違いなく、そしてその内容の半分以上が修士論文で使えるものになっています。(学位論文ではないので、結果的には修士論文のプロット的なものになったとも言えるでしょう。)
 中国史(四)は、最後に残った必修科目でした。毎週の指定閲読量が、100ページを超え、四週間に一度、小レポート形式の宿題があり、期末には研究式のレポート(6000字以上)もあり、尚且つ期末テストまである、非常に重い科目でした。とは言え、私自身は単位数の少なさもあり、多少の余裕があった為に、毎週の指定閲読書に関しては、ほぼ毎回読んで講義に参加していましたし、小レポート形式の宿題も全て規定通りにこなし、最後の研究式の期末レポートも、早々にテーマを決め書き終えることが出来、テストの結果も、そこそこ良かったらしく、予想に反して良い成績が獲れました。やはり、毎週の指定閲読書を読んでおくだけでも、レポートに関しても、期末テストに関しても、かなり負担は減りました。また、私は期末レポートを全力で書いていた為に、基本的にはテスト勉強はしていませんでした。寧ろ、期末レポートをテスト対策代わりにしていて、これは他の教科でも、同じようにやっていたものが少なくありません。そして私自身は四年生になるまで、レポートだけは、しっかりと書いてきたので、この中国史(四)の期末レポートも、過去に書いたレポートで疑問が出た部分を改めて別の形でレポートとして書いたために、資料集め等が非常に楽でした。レポートを常に自分でしっかりと書き続けていると、図書館の何処に、どの様な書籍があるのかが、日常的に把握できますし、また学術書からも、その著者が使っている文献や資料が何なのかが判るので、レポートをきちんと書く訓練を続けていると、レポートを書くこと自体の負担が、段々と減ってくるのです。余談になりますが、この経験がなければ、私は学士論文を書こうなんて思わなかったでしょうし、講義を受けながら、論文を完成させることも、難しかったと思います。私自身、そういう意味では、レポートの題材等で苦労した記憶は、殆どなく、基本的には常に期日で仕上げていました。また、このレポートを書くことが、私の中国語力を上げてくれました。そうしたレポートを通じての書くことの訓練は、やはり積み重ねが大切だな、と実感した部分があります。
 漢字文化は、漢字の成立や、歴史、その背景等の講義内容で、非常に面白かった講義でした。そして、私は以前書道を習っていた所為か、内容も比較的理解しやすく、楽しんで受けられた講義でしたが、テストの点数がイマイチだった所為か、成績は極めて普通でした。
 日本近現代外交資料解析(二)は前学期の講義の内容と変化はなく、今学期も日本外交に関する資料の解読を中心とした講義内容でした。

 この様にして、今学期の講義が終了し、そして私の四年間の大学生活も、終了しました。この年齢で大学で今更ながら勉強する事は、意味があるのか?人によっては、時間の無駄ではないか?とも言われましたが、私は決してそうは思いませんでしたし、大学で学んで以降、気付く事が多くありました。正直に言うと、私は台湾大学で学ぶ前までは、学術書を読んでも、あまり面白いとは思わなかったのですが、大学に入って学ぶうちに、その面白さや、内容を理解することができるようになりましたし、その著者がどんな資料を用いて、どの様な学術書を参考にしたり、批判して論文を書いているのか、が解る様になりました。そうした、学ぶことの訓練が、何かを理解したり、研究しようとする時には必要で、大学というのは、基本的にそういった考えることを訓練する場ではないのか、と私は四年間を通して感じました。そして、実際にその考えることの訓練は、実社会に於いても、役に立ちますし、応用も利きます。よく耳にする、大学の勉強は社会では役に立たない、と言う方は、どのような根拠で言っておられるのか、自分には興味があります。詰込み型の教育に対する批判もありますが、問題なのは、詰め込むだけで、その後の応用方法や、展開方法を教えないことが、問題ではないだろうか?とも、この四年間で思いました。何かを考える、思考する時には、基礎的な最低限の知識が必要で、これはどうしても、詰め込みになってしまう部分は否めない側面があります。

 あと、最後に台湾大学の図書館についてですが、書籍数も非常に多いのですが、一番便利な部分は数多くの電子資料庫が使える事でしょうか。ジャーナルに掲載されている論文や、資料の電子庫等で使えるものが非常に多く、ジャーナル掲載論文も、PDFをダウンロードでき、非常に助かりました。また、台湾内の大学の修士博士論文のPDFもダウンロードできる場合もあり、そういった電子ファイルになっている論文や文献、資料等の多くが使えるのは、学士論文を書くときに、大変助かりました。

 四年間を通しての講義で感じた事は、毎回講義に出席して、やることを全てやっていれば、単位は取れる様に講義が設計されている様に感じました。当然、それに関しては一定程度の中国語力が必要で、また多少は英語が読める事も(私は英語で苦労しました。高卒程度の英語力があれば、そこまでは苦労しないと思います)、前提条件としては必要です。ですから、実際に卒業するだけであれば、そんなに難しくはないでしょうし、軽い講義もありますから、その辺はそれこそptt(台湾のBBS)を参考にしたり、知り合いの日本人学生から情報を集めるなりして対応すればいいと思います。但し、本気でいい成績をとろうと思ったら、ハードルは一気に上がる印象がありました。台湾大学卒の資格だけ必要であれば、中文系国際班と言う、外国人学生専用に設定されている中国語の学部を選べばいいですし(転科は出来ません)、台湾大学での学び方は、人それぞれだと思います。(2014.8.10追記)

 私が四年間学んだのは、台湾大学なので、他の台湾の大学の様子は判りません。しかも、私は台湾大学の歴史学系で学んだだけであって、他の学部の様子も判りません。ですから、この一連のエントリーが、実際にこれから台湾大学で学ぼうとしている方のお役にたつかどうか、も私には判りません。しかしながら、台湾の大学で学ぶことを考えている方に、少しでもお役にたてば、と思います。
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by ken1horie | 2014-07-31 01:27 | 台湾大学留学 | Comments(0)