台湾その日暮らし


by ken1horie
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四年間のこと:四年一学期

 四年の一学期に受けた講義は、専題討論(一)、近代西方歴史意識、日本近代外交史(一)(1920年代から日米開戦前まで)、日本近現代外交資料解析(一)、中国古代的科学・技術與医療、校園文化資産詮釈、の合計13単位でした。
 四年生の時点で卒業までに取得が必要な残り単位数が、26単位だったために、各学期に13単位ずつ取ることにしました。必要な系内選択の講義も既に取り終えており、自分の受けたいもの自由に選択できたのですが、それでも単位の数も考慮に入れる必要があり、簡単にはいきませんでした。とは言え、台湾史以外でも、自分が興味を持てそうな科目を選んだことは、間違いありませんでした。

 専題討論(一)は、学士論文のテーマについて、指導教授と討論をする内容で、講義とはまた感じが違っていました。途中までは決まった時間に討論を行っていましたが、学期後半からは、大体の書く内容が固まったので、問題がある場合や質問がある時に、教授に連絡して討論を行う形となりました。
 近代西方歴史意識は、フランス革命以後の、西洋史学史で思想史的な側面を含んだ内容と言えばいいでしょうか。講義内容自体は、非常に面白く、近代以降の歴史学者の多くが登場し、また彼らがどのように歴史を考えてきたのか、が主な内容でした。この講義のレポートで題材にハンナ・アーレントの「人間の条件(The human condition)」を選択したことが、彼女の著作に対して興味を持つきっかけとなりました。また、元々私は機械設計を生業としていたので、この「人間の条件」を初めて読んだ時に受けた衝撃は非常に大きいものでしたし、その機械設計に携わっていた背景から「work」と「labour」の概念の違いも、非常に捉えやすかった記憶があります。とは言え、ギリシャ哲学の基礎がなく、またマルクスも未読であったために(この本は、基本的にマルクス批判で構成されていると個人的には思っています)、私自身その内容は完全に未消化の状態ではあることも、間違いありません。しかし、遅まきながら、そういったギリシャ哲学や、マルクス、またはその他西洋哲学や思想の重要性(思考の上での基礎的な道具としての重要性)も改めて感じた講義内容でした。
 日本近代外交史(一)は、1920年以降、日本が戦争にひた走っていく時期の内容でしたが、ただひたすらに戦争に向かっていったわけではなく、当然途中に方向転換可能なポイントもあったにもかかわらず、結局は戦争を選んでしまった、というのが、講義を通して(自分でもその辺の関連書籍は何冊か目を通した結果からも)感じました。ただ、やはり個人的には1920年以降の、日本の政治なんですが、何故戦争を選択したのかが、未だに理解できないのです。日中戦争にしても、太平洋戦争にしても、その戦争の明確な戦略もなく、本当に私にとってはなぜ戦争を決断したのか、が不思議で仕方がないのです。それに加え、二学期に論文を本格的に書き始めてから、日本の戦前の食糧事情に関する論文書を読んだ時に知ったのですが、日本は1900年前後から、1960年辺りまで、米の輸入国でした。この食糧を輸入に依存している状態で、何故戦争を選択したのか、益々解らなくなってしまったのです。石油や鉄鋼材料も、アメリカに依存していた日本が、何故戦争を決断したのか。この辺は、機会を見て、少しずつでも調べてみた方がいいのかな、と思いました。
 日本近現代外交資料解析(一)は三年の一年間に受けた日本近現代資料解析(一)と(二)の続きとも言える内容で、科目名に「外交」が加えられました。解析資料は、外交に関するもので、講義の進行方法も、前年度の講義の内容と変化はありませんでした。
 中国古代的科学・技術與医療は、個人的な興味から、選択しました。元々機械設計をやっていた所為か、中国の数学や工業技術に進歩や革新が起こらなかったことに対しての疑問が以前からあり、そういうのも含めて理解できれば面白いかな、と思ったことが選択の動機とも言えるでしょう。修士課程が開講した講義でしたが、大学部の学生は、修士生よりレポートや通常の宿題が比較的楽で(それでも三通の宿題に、期末の研究レポートがありましたが)、講義内容に関しても、自分が普段興味を持たない分野に関するものもあり、バラエティに富んだ内容でした。あと、この講義は博物館や、歴史に関する展示に行くことも少なくなく、改めて博物館等に行き、展示を眺め、ガイドの説明を聞くのも、また一つの勉強なんだと感じました。
 校園文化資産詮釈は、台湾大学内になにがあり、それがどういう由来なのか、或いは大学にある植物はどんな種類があり、どのような生物がいるのか、等々、大学内に関する多岐の内容をテーマにした講義で、また一般の講義とは違い、公共芸術に携わっている芸術家が講演をしたり、また野鳥保護団体の方の講演を聞いたりする内容の外に、グループ(20人くらいかな)で、期末に向けて校内に関する何かテーマを設定して発表もしました。私自身、台湾大学校史館のサービスラーニング(所謂ボランティアのクラスで、内容は校史館のガイド)のTAを四年生になって担当することになり、学校のことをもう少し知っておこう、と思って選択したのがこの講義でした。実際、自分自身が校史館でガイドをする時にも講義内容が、役に立った部分もありました。しかしながら、私は小さいときから、ずっと共同作業が苦手で、このグループでの期末作業が本当に苦痛でした。ですから、共同作業や、みんなで何かを一緒にやるのが好きな人には、うってつけの講義だと思います。また、講義内容も重くはないので、普通にやっていれば、間違いなく良い成績は取れるでしょう。

 このように、単位数は13単位と、単位が少なめの学期でしたが、選んだ講義がよかったのか、自分が努力したのか、四年間で一番良い成績が取れ、結果として書巻奨(成績優秀賞)も取れ、学部から表彰され、賞状も頂きました(確か、3000元の奨励金も貰ったと思う)。中国語の非母語者が、この書巻奨を獲ることは、非常に珍しいみたいで、台湾人の友達にも、驚かれました。
 このように、論文の書く内容も決まり、学期が終わってから冬休みに入ると、早速論文を書き始め(実はファイルの保存ミスで1万字以上書いたものを一度消してしまい、もう一度書き直す事になったのですが、却って内容が良くなったので、結果的には良かった。また論文自体は、指導教授の強い勧めで、日本語で書くことにしました)、そしてその短い冬休みが終わると、最後の半年がスタートします。
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by ken1horie | 2014-07-27 00:23 | 台湾大学留学 | Comments(0)