台湾その日暮らし


by ken1horie
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残り半年に際して

 4年生の1学期も終わり、残す所あと半年となりました。4年間で卒業出来そうな見通しもつき、ホッとしています。卒業してから4年間を振り返ってもいいのですが、色々とバタバタするかも知れないので、今のうちに大学生活を振り返っておこうかと。

 1年生の1学期が一番辛くて、何度も心が折れそうになりました。私は、2年間台湾師範大学国語中心で中国語を学んでいましたが、台湾大学に入ったら、先生や同級生の言っている事が、殆ど聞き取れなかったのです。これは、本当にショックでした。しかし、大学の授業に関しては、シラバスに参考図書類の書名が乗っているので、それを頼りに、授業内容を復習したり、図書館に有る日本語の書物やCiNiiにあるダウンロード可能な論文等を頼りに、何とか乗り切りました。この1年生の1学期に単位を落とさずに済んだ事が、大きな自信になった事は、間違いありません。2学期からは、多少慣れて、授業の内容も段々、少しずつ聞き取れる様になってきました。
 そして、2年生になってからは、単位も少しだけ増やし、何とか少しずつ授業も対応可能になってきて、大きな不安も少しずつ減って行きました。3年になってから、授業でノートをちゃんと取れる様になりました。確かに、1年生の時から、取れるものはノートに取っていましたが、ノートを取っていると、先生の話している事が判らなくなるんですね。それが、段々と減っていた事は、間違いないです。そして、3年生で多めに単位を取っていた所為か、4年生になって、学士論文を書く余裕も出来ました。現在、少しずつですが書き始めています。

 全体を通して思った事は、例え授業内容が判らなくても、出席していれば点数は引かれないですし、中国語に耳を慣らす事も可能です。その繰り返しが、自分の場合は、段々と中国語の聴力を高めてくれました。また、レポートの多さは、自分の中国語の読解力と作文能力を高めてくれました。本当にレポートが多くて、ずっとレポートを書いていた様な記憶があります。
 実際の授業についてですが、基本的に毎回出席していて、宿題類を全てこなしていれば、単位を落とす事は、まずないと思います。それは、外国人学生だから、と言う訳ではなく、最低限必要な事さえしていれば、単位だけは取れる、と思っています。
 そして、レポートに関してですが、自力でちゃんと書き続けていると、段々レポートも苦にならなくなってきます。それは、何故かと言うと、書き慣れる事も確かにあるのですが、自分の興味の有る分野を選んで授業を選択していると、曾て自分が書いたレポートの参考図書や論文類を再び利用する事も可能ですし、図書館の何処に自分が必要としている書籍があるのか、大体判る様になるんです。また、自分が利用可能なウェブサイトも、段々と判って来ますし、大学の授業と言うのは、基本的に自分で考える訓練なんだ、と少しずつ理解出来ると思います。
 また、その授業の重さが、自分の中国語力を高めてくれた事は、疑いが無いと感じています。
 あと、中国語だけではなく、英語も必要である事を痛感した大学生活でした。世界史の授業は、英語の教科書を使い、配られる資料(小レポートや、討論に使うもの)も英語の物でした。私は歴史学系の学生でしたが、シラバスを見る限りに於いては、世界史や西洋史関係の授業は、英語の書籍や資料を使う場合が殆どでした。また、理系は殆ど英語の教科書を使用すると聞いています。実際に、台湾大学では卒業条件として、一定の英語力を要求される為、少しずつでも英語の勉強を必要とします。しかし、英語に関して言うならば、必要に迫られる部分も有り、自分に関しては日本に居た時よりかは、英語力は上がりました(とは言え、偉そうな事を言えるレベルではありません)。実際に、英語の便利さに気付いたのも、台湾大学に入ってからでした。中国史の書籍でも、中国語の物以外に、多くの参考可能な英語の書籍や論文があるのです。私自身は、台湾史の授業を多く取っていますが、19世紀末の清代台湾の淡水に於ける関税記録は、英語の物ですし、19世紀のイギリス外交官Robert Swinhoeは台湾に関する多くの記録を残しています(彼は博物学者でもあり、台湾の鳥類調査の嚆矢としても有名)。そういった資料を読むのにも英語は必要になってくるのです。台湾史に関する英語の書物も、少なくないのが、現状なのです。
 それから、台湾大学でクラスメイトと上手くやって行くには、それなりに友人を作ろうとするなら、やはり勉強しないと、有る程度の成績を取らないと、難しいかも知れません(これは、私がそんな風に感じているだけです)。私自身、成績に関しては、あまり気にしないでやってきましたし、学校の成績が全てではないと思ってもいますが、それでも台湾大学は成績を過度に気にする学生は多いですし、そして有る意味に於いては、実力が影響する雰囲気があります。

 私自身にとっては、大学4年間と言うのは、非常に有意義な時間だったと言えるでしょう。ただ、全ての人が同じ様に感じるとは思っていないですし、偶々私はラッキーだったのかも、とも思っています。多くの先生や同級生、先輩後輩、友人に支えられてここまで来た事は、紛れも無い事実ですし、本当に感謝しています。
 そして、もし台湾留学を考えている方がいたら、一つだけ忠告させて下さい。
 「過度な期待はしないで下さい。」
 結局は自分がやった分しか、結果は出て来ません。そして、自分がやった分しか結果が出てこないから、自分でも納得出来るし、反省して次に繋げられるのです。ただ、台湾に住んでいるだけでは、中国語は覚えられません。自分の友人達が、それを証明していますし、それが恥ずかしい事ではないのも、事実なのです。例え台湾に住んでいても、日常生活が全て英語や日本語で可能であれば、中国語を覚える事は非常に難しいのです。これは、他の国で生活していても同じでしょう。

 自分は意識して、ここまで来た、とは言い難いです。それでも、何とかなったのは、同級生や、友達、多くの人達と中国語で直接コミュニケイションしたい、って部分が有ったのかも知れません。そして、大学で学んでいるうちに、翻訳や通訳を通さず、出来るだけ自分の感情を直接伝えたい、と思ったのかも知れません。また、自分が今現在、何処に住んでいるのか、も意識のうちにあったのかも知れません。そして、自分にとって一番重要だった事は、日本も台湾も、好きな部分もあれば、好きになれない部分があって、それは善し悪しではない、優劣ではない、と気付けた事でしょうか。

 だからこそ、自分の経験を過信しない、時々は疑って考えてみる事が、必要なのかも知れません。そして、私達一人一人は違うんだよ、と。その違いを受け入れる事の大切さも、また台湾でぼんやりと思う事なんです。
 世界全体が「Let's agree to disagree.」とお互いに笑いながら言い合える日が、いつか来る事を信じて。

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by ken1horie | 2014-01-28 02:22 | 台湾大学留学 | Comments(0)